情報リテラシーの向上に。より新鮮で正確な情報を収集する方法
私たちが生きていくために必要な情報は、新聞や雑誌をはじめ、デジタル時代の今はニュースアプリやWeb検索で情報を収集していきます。
しかし、情報を発信するメディア・媒体は多数あり、情報の収集はとても大変です。
インターネットの世界ではSNSを通じて誰もが簡単に情報発信できるようになり、フェイクニュースやデマといった偽情報が拡散されて問題が起きたりと、昨今の情報化社会においては情報リテラシー(情報を適切に活用する能力)が必要不可欠です。
2020年頃には、新型コロナウィスル感染症に関連した情報が、話題性や興味、また人々の不安からたとえ根拠のない情報でもものすごいスピードで拡散され、多くの混乱を招いています。
多くの方が信憑性のある情報を収集できておらず、その周りの人たちも巻き込まれていきます。
これから来る超情報化社会では、さらなる情報リテラシーの向上が必要となります。
情報リテラシーを身につけるといっても、世の中にある多くの情報から正しい情報を得ることは簡単にできることではありません。
その道の専門家でも、たまに間違った情報を扱ってしまうこともあります。
そこで今回は、
一般の方でも、より新鮮で正確な情報を収集する方法としていくつかご紹介します。
目次
複数の媒体をチェックする
世間的に有名なメディアの情報を信頼するのもいいですが、必ずしも正しい情報であるかは言い切れません。どこの情報から引用して記事にしたかも重要ですし、ネタになるということでまだ不確実な情報でも発信される場合もあります。
脳科学的に見ると人は皆、今まで生きてきた中で経験したことや学んだことから確立した固定概念から、自分のなっとくする情報を信じる傾向があるので、その情報が正しいか正しくないかは人それぞれで捉え方に違いがでます。
考え方が様々であるのは悪いことではなく、私たちはロボットではなく人間ですので、100人いれば100通りの考えが生まれても不思議ではありません。
多くの情報の中から、皆さんの多くがより正しい情報を得ることができれば、より正しい情報が世間に広がり、普段の生活において良い世の中になるでしょう。
ただ、正しい情報を得ることはとても難しいものです。
また、世の中の情報に100%正しい情報はありません。
私たちに生活において必要な情報は、大量のデータからはじき出された確率でできています。
例えば、99.9%消臭・除菌といった洗剤やスプレーといったものがありますが、必ずしも100%と言い切れません。
使う人によって、たまたま別の成分が混じって何かが起こる可能性もあります。まだ発見されていない未知の菌が存在するかもしれません。
そう、あくまで確率なのです。
医療情報に関しては、多くの事例や臨床試験、膨大なデータ、そして統計学や臨床医学などから、より妥当性と信頼性を高め学会で発表し、文献や論文としてまとめられます。
普通のメディアやブロガーが語れるほど簡単なものではありません。
重要な物事で調べ物をする際には、最低でも3媒体のメディアの情報を見ることをお勧めします。
またその記事が引用している情報が、専門性のある機関からの情報なのかも確認しましょう。
より新しく新鮮な情報を収集する
また、より新しく新鮮な情報を得たい場合は、利用する検索エンジンの検索オプションを活用しましょう。
多くの方がGoogleやBing、Yahoo!などで情報を検索するかと思います。
この3つの検索について便利なオプションを紹介します。
より新しく新鮮な情報をを収集するために、公開された記事、新しく更新された記事の絞り込みをします。
サンプルでは9/18にWeb検索をしています。
検索窓に検索する文言を入力して検索をかけます。
普通に検索をかければ、検索した文言により関連する情報が並びます。
公開日は直近のものもあれば4、5年前の情報も出てきます。
別に古い情報だからといって間違ったことが発信されたのではなく、昔はそれが良いとされていたが、時代の変化や新しい情報から今までの情報の正当性が薄れてくることもあります。もちろん古くても使える情報もありますが。
検索の上部メニューの一番右の「ツール」を選択して、「期間指定なし」となっているプルダウンメニューから期間指定ができます。
1か月以内を選択すれば、ここ1か月で公開され記事や更新された記事が検索対象となり、より新しく新鮮な情報を収集することがます。
タブレット端末やスマートフォンでも、「ツール」のオプションから期間指定で検索できます。
上部メニューは横に長いので、一番右まで横スクロールします。
Yahoo!
Yahooでも同じように、上部メニューの一番右の「ツール」を選択します。
期間で絞り込むの項目から期間指定ができます。
タブレット端末やスマートフォンでは、「条件指定」を選択して「最終更新」のプルダウンメニューから期間を指定します。
条件指定のオプションは、一番右まで横スクロールするとあります。
Bing
Bingも上部メニューの一番右の「ツール」を選択します。
「時間指定なし」のプルダウンメニューから期間を指定します。
タブレット端末やスマートフォンでは、「検索ツール」を選択して「時間指定なし」となっているプルダウンメニューから期間を指定します。
これらの検索エンジンの期間検索機能を使って、より新しく新鮮な情報の中から、より専門性の高いものを探せるようにしましょう。
ドメインを見る
他にも、ドメインを気にして情報を得るのも良いでしょう。
ドメインとはインターネット上の住所で、インターネット上のWebサイトを認識するために名前を付けたものです。ドメインに関して詳しく説明すると、慣れないかたは頭が痛くなると思うので、ざっくりわかる程度でお話します。
iPhoneやMacなどでお馴染みのAppleのURLは以下になります。
https://www.apple.com/
wwwがホストと呼ばれる部分。
wwwはWorld Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ)の略で、インターネットで文書や画像・動画の観覧ができる仕組みです。WWWの表示は必ずしも必要というわけではないので、表示していないWebサイトもあります。
apple.comがドメイン名で「.com」がトップレベルドメイン(TLD)と呼ばれるものです。
何気なく見かけるドメインも、ちょっとした違いや意味があります。
トップレベルドメインには、「.com」は企業や商用サービスを表すもの、「.net」はネットワークサービスの提供者を表すものなど、分野別で表すドメインがいくつかあります。
他、「.org」「.info」など。
上記のドメインは誰でも取得することができます。
他にも、国コードトップレベルドメインと呼ばれるドメインがあります。
「.jp」は日本、「.us」はアメリカ、「.uk」はイギリスなど。
これらは、国や地域に割り当てるためにつくられたトップレベルドメインで、国コードの登録管理ポリシーによって様々ですが、.jpであれば日本国内に住所をもつ個人・組織でないと登録できません。
一応、世界的に日本は信頼度が高いほうのドメインです。
また、「.co.jp」「.ac.jp」といったJPドメインでも属性型ドメインと呼ばれる、トップレベルドメインの次の文字列が入る、セカンドレベルドメインが指定されているドメインなどもあります。
「.co.jp」は、日本国内に登記のある企業しか登録できないドメインで、審査などの取得条件があります。
「.or.jp」は、財団法人、社団法人、医療法人、監査法人、宗教法人、特定非営利活動法人、特殊法人など、法人組織が登録できるドメインになります。
「.ac.jp」は、高等教育機関および学校法人などが登録できるドメインになります。大学病院などもこちらのドメインを利用します。
誰でも取得できる「.com」がよくないというわけではなく、しっかりと専門知識をもった方が公開していることもありますが、より専門的で正しい情報を持っているであろう機関を見落とさないようにしましょう。
特に医療関係の情報収集をする際は、こうしたドメインにも気を使うとより正しい情報を収集することができます。
AIチャットボットでの情報収集の注意点
2023年2月頃から、OpenAIのChatGPTをはじめ、MicrosoftのBingやGoogleのGeminiなど、様々なAIチャットボットが登場し、日本でも利用者が増えてきました。
AI(人工知能)が学習している情報のベースは、インターネット上のテキストデータであり、必ずしもより正確な情報が返ってくるとは限りません。
AIが返す回答をそのまま鵜呑みにして利用したり行動に起こしてしまうと、不確実性の低い情報や要素が多い場合には、いろんな問題が起きたりトラブルに巻き込まれたりします。
AIチャットボットを活用される場合であっても、必ずインターネット上の情報も複数確認する必要があります。
AIとの会話では、科学的根拠に基づく情報や参考URLを提供してもらえるような質問をしましょう。
Microsoft Bingでは、詳細情報として参考URLを返してくれるとても良い仕様となっていますので、必ず詳細情報を活用しましょう。
他、ChatGPTやGeminiでは詳細情報を返してくれないこともあるので、参考URLを聞けるような質問をするといいでしょう。
まとめ
ここでご紹介した情報収集の方法は、一般の方でも意識してできる内容です。
近しい人からSNSで共有されたから正しいとかはすぐに判断せず、いくつかの媒体の情報を見て回ってください。
なるべく新しく新鮮な情報が欲しい場合は、期間指定の機能を活用してください。
そして専門知識が伴う場合は、Webサイトのドメインも気にしてみてください。
また、探している情報についてもっと深く知りたいという場合は、学術論文や研究資料を検索・閲覧できる無料のWebサービス「Google Scholar(グーグル・スカラー)」を利用するのもいいでしょう。
Google Scholarを利用することで、幅広い分野の論説、論文、書籍、要約などを探すことができ、よりエビデンスレベルの高い情報を収集することができます。
Google Scholarの利用方法については、以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。
これからくる超情報化社会では、多くの情報からより正しい情報を収集することは生きていく中で重要になってきます。
普段から必要な情報はもちろん、とくに世間的に重要な情報は慎重に取り扱い、うまく活用できるようにしましょう。