SEOの前に考えないといけない重要なこと



WebサイトのSEO評価を高めるためには、ターゲットユーザーが求める情報のキーワードを効果的に盛り込む、またレスポンシブWebデザインや表示速度など、技術的な部分を含めたWebサイトを制作する、その他、専門性の高いコンテンツを作るなど、これらは最低限必要な取り組みです。

一般的によく言われているSEO対策は、どこも同じようなことをするので競合サイトのと競争となり、ドメインレベル高かったりすでにブランディングに成功している企業などのサイトに勝つことは難しいでしょう。
また、検索エンジンのアルゴリズムの変更が行われた時には、検索結果の順位変動に影響を受けることも多く、その都度、対応に追われることになります。

良質なコンテンツが作れていれは、また適切に情報発信できていれば、検索エンジンがどうこうという話に振り回されることもないでしょう。

昔と違って今の検索エンジンは、ユーザーファーストを目指しています。
これまで皆さんが追いかけてきたのは検索エンジンのためのコンテンツ制作が多く、本当はユーザーのためのコンテンツ制作をするべきです。

ここでは、SEOの前に考えないといけない重要なこととして、以下の2点に注目して考えていきます。

  • Webページのコンテンツ内で使う専門用語
  • ユーザーが利用するツールの把握


この2点に良質なコンテンツ作り、適切な情報発信のヒントがあります。

Webページのコンテンツ内で使う専門用語


生成AIの利用が増えてきている昨今、これまで検索エンジンを使って行なってきた情報収集は、生成AIを使い自然な文章で対話形式で質問していくことになるでしょう。

生成AIと対話形式やりとりする中で、自然な文章での質問以外にも専門用語となるワードを使って質問すると、「〇〇とは」といったかたちで回答してくれます。そして、それと同時に参考となるWebページのリンクも提供してくれます。

以下、Googleが開発・提供しているGemimiを使った例です。
生成AIのサービスによって参考となるWebページのリンクの提供方法は、回答内や回答の下や横など様々です。

生成AIを使って1つのワードについて調べる



この生成AIの傾向を考えると、「〇〇とは」というかたちで回答するようなユーザーの問いに対して、しっかり答えることができるコンテンツが必要になります。

Webページのコンテンツに専門用語を用いて何かを説明している場合、一般の方はあまり理解できないままとなってしまいます。そうなると問題が解決できなかったユーザーは別のサイトに流れていくでしょう。
生成AIが参考としなければ、参考となるリンクとしても掲載されません。

専門家以外に伝わらない言葉をジャーゴン(jargon)といいます。
ジャーゴンとは、一般の方や部外者には理解できない専門用語や業界用語のことで、専門用語を多用しすぎるとコミュニケーションに問題が生じます。多くの情報発信には専門用語を必要としますが、合わせて専門用語に対してもわかりやすく説明を加える必要があります。
ちなみに、ステータスが高い人よりステータスが低い人の方が、ジャーゴンを多く使うことを好む傾向にあるという研究データもあり、他人によく見られたいという気持ちが、ジャーゴンを使う頻度を高めていると考えられます。
ユーザーに寄り添ったコミュニケーションをとるためのコンテンツ作りでは、ジャーゴンの悪影響を理解しなければなりません。
情報はコミュニケーションツールの1つです。自分たちのためではなく、誰かのためのコンテンツ作り、情報発信を心がけましょう。

何気なく使っている専門用語にも説明を入れているコンテンツは、生成AIに認知されやすいコンテンツです。もちろんGoogleなどの検索エンジンも専門性の高いコンテンツを評価します。
評価が高くなればWebサイトへの流入を増やすことにも繋がり、自然とSEOにも効果が出てくるでしょう。

結局、自分たちのためではなく誰かのために行ったことが、最終的に自分たちのためになっていたりします。
良い流れが生まれます。

被リンク(外部リンク)はまだまだ重要だが


SEOにおける被リンク(外部リンク)の重要性はまだまだ高いです。
被リンクとは、外部サイトから自分のサイトに向けられたリンクのことで、バックリンクとも呼ばれます。
多くの検索エンジンがサイトを評価する際の指標の1つとして、被リンクの数を参考としています。

そもそもコンテンツがしっかり作られていないWebページが、被リンクを獲得するのは難しいでしょう。

たまに耳にするお話で、情報収集に関連したポータルサイトへのリンクの掲載や、お互いにリンクを貼り合ったりするようなことも行われていたりします。
しかし、この被リンクには注意が必要で、人工的に貼られたリンクは悪いリンクとして判断され、Webサイトの評価が落ちたりペナルティを受ける可能性もあります。
ですので、良質な被リンクの獲得が求められます。

良質な被リンクは自然な形で貼られたリンクであり、ナチュラルリンクとも呼ばれます。
良いナチュラルリンクを獲得することで、WebサイトのSEO評価が高まります。

明確な基準はありませんが、例えば、関連サイトの一覧として貼られたリンクは、その部分意外はサイトとの関係や関連性がなかった場合、もしかすると人工的に貼られたと判断されて評価を下げる可能性があります。
逆に、コンテンツの文章中などで自然に貼られたリンクは、ナチュラルリンクと判断される可能性が高いでしょう。
AIが活用される時代ですので、どのような判断をされてしまうかわからないと考えると、正攻法で被リンクを獲得することを考えた方がいいでしょう。

自然に貼られるリンクのWebページは、情報量と専門性が共に充実したコンテンツでないと、貼られる可能性はかなり低いです。
前述したように、発信する情報の分野で専門的な用語もしっかり説明して、ナチュラルリンクの獲得の可能性を高めるコンテンツ作りを心がけましょう。

ユーザーが利用するツールの把握


ユーザーが情報収集に利用するツールは時代によって変化します。
新しいサービスが登場し、そのサービスが多くのユーザーに好まれれば、Webサイトとの連携は必要不可欠となります。
どのメディアに顔を出すかで認知度は変わってきます。

効果的に活用するべきメディアは、サービスの利便性にも影響します。
日本であればこれまでX(旧Twitter)が、情報収集源として圧倒的に多かったですが、インプレッション問題(インプレゾンビ)やサービスの一部有料化、タイムラインのアルゴリズムの変化など、ユーザーにとってベネフィット(利益)を感じることができないサービスとなっていく場合、自然と利用するユーザーは減少していきます。

Statcounter Global Statsというサイトで調査データを確認しますと、2024年5月頃からは、YouTubeがXを大きく逆転しています。

2023年9月〜2024年9月までの日本のソーシャルメディアの利用状況


時代によって利用者数が変わることもありますので、どのメディアに力を入れた方が良いかを考えていく必要があります。

ちなみにYouTubeは2024年10月15日以降、YouTube ショートで最大3分のショート動画を作成することができるようになりました。短くて手軽に閲覧できるショート動画からメインの動画への誘導もスムーズに行えますし、概要欄からWebサイトへの誘導もできます。
縦型動画はモバイルユーザーに合っているので、Webページに埋め込んで活用するのもいいでしょう。

YouTube ショートの動画の埋め込みについては、以下の記事にてレスポンシブWebデザインに対応した方法でご紹介しています。

まとめ


SEOはブランディングをするうえで欠かせないものですが、あくまで沢山ある方法の中の1つで、その比重は昔よりも少なくなっています。

効果的にメディアに顔を出してWebサイトへの流入を増やすことができれば、検索エンジンを含め多くのアクセス数を得ることができますし、専門的な内容でもわかりやすく説明してあればしっかりと情報を見るようになり、Webページの滞在時間も伸びます。

ユーザーの問題が解決できるかやどのようなサービスを多く利用するのか、またどのような時に利用するのかを考えてWebサイトのコンテンツを作る、そしてどのサービスで発信するかを決めていくことが、結果としてSEO評価に繋がってくるでしょう。