MacでZIPファイルにパスワードをかける方法
普段、パソコンはMacを使っている方はプライベートでも仕事でもいろいろとデータを送る時、特にフォルダをZIP圧縮してパスワードをかけてメールで送る時があるかと思います。
そういえばWindows 7や8、10だとLhaplus(ラプラス)というフリーソフトを使ってパスワード付きのZIPファイルを作れるけど、Macってどうやるの?
って思っている方はけっこういらっしゃるのではないでしょうか。超簡単な方法ありますよ。
Macの場合は、標準で付属しているターミナルというツールを使うことで、パスワード付きのZIPファイルを作成することができます。
大事な資料をクライアントに送るときなどはパスワードかけておきたいですよね。
ということで、ここではMacでパスワード付きのZIPファイルを作成する方法をご紹介します。
とその前に、ターミナルってなに?って人のためにまずはこちら。
ターミナルとは
ターミナルとはコマンドと呼ばれる命令文を使っていろいろ操作するツールです。
Windowsでいうコマンドプロンプト。知らない人にはよく黒い画面とも呼ばれることも。普通の人はあまりお目にかからないので難しそうなんて思う人もいます。
Macにはターミナルというアプリケーションがデフォルトで入っています。
ターミナルは、「アプリケーション > ユーティリティ」の中にあります。
他にも、Launchpadから「その他」のまとまりの中にもあるので、そちらからでも。
よく利用することが出てくる場合は、Macの画面端に配置しているDock(ドック)に置いておくと良いでしょう。
ターミナルを起動して、さあ始めましょうか。
コンピュータの情報やユーザー名が表示され、「$」マークの後にコマンドを打っていきます。
パスワード付きのZIPファイルを作成する方法は、zipcloakコマンドとzipコマンドの2種類あります。
お勧めなのはzipコマンドです。
違いを含め、わかりやすくパスワードをかける対象ファイルをデスクトップに置いて説明していきます。
zipcloakコマンド
zipcloakコマンドは、ZIPファイルの暗号化と暗号の解除ができるコマンドです。
すでにあるZIPファイルに対して利用します。
まずはターミナルを立ち上げたら「zipcloak」と入力します。
そのあと半角スペースをあけてZIPファイルをターミナルにドラッグ&ドロップします。
するとファイルのパスが自動で表示されます。
そしてEnterキーを押します。
次に、パスワードを設定します。
Enter passwordに自身で決めたパスワードを入力してEnterキーを押し、確認としてverify passwordにもう一度パスワードを入力します。
最後にEnterキーを押します。
実行すると、encryptingと暗号化できたのが確認できます。
これでZIPファイルにパスワードをかけることができました。
パスワードをかけたZIPファイルを開こうとしてください。
パスワードを聞かれます。
zipcloakは記述もシンプルで簡単ですが、ちょっとした問題もあります。
UI操作で手軽にできる右クリックからファイルを圧縮したZIPファイルでは、zipcloakでエラーが出ることもあるようです。
昔はできましたが、おそらくmacOSのアップデートで仕様が変わった影響かと思います。
コマンドで作成したZIPファイルでしたら、問題なくzipcloakコマンドでパスワードをかけることができます。
お勧めなのが、このあとに説明するzipコマンドです。
zipコマンド
zipコマンドは、ファイルをZIP形式で圧縮できるコマンドです。
ディレクトリに対してもファイルに対しても、ZIP形式に圧縮することができます。
zipコマンドにはたくさんのオプションが用意されていますが、ここではファイルの暗号化に必要なオプションだけ紹介します。
以下、zipコマンドの書式です。
zip [オプション] ZIPファイル [対象ファイル]
パスワード付きのZIPファイルを作成するには、以下のようなオプションを設定します。
zip -e -r [圧縮後の名前].zip [圧縮したいディレクトリ名]
オプションは半角スペースを開けて、複数選択することができます。
「-e」は暗号化するオプションです。
「-r」ディレクトリ内のファイルを再帰的に扱うオプションになります。再帰的というと難しいですが、同じ処理を繰り返すことを意味します。ディレクトリ内のファイルなどに対して一つ一つ処理をしていきます。
実際の流れをサンプルで説明します。
例として、デスクトップに「sample_dir」というフォルダを用意して、パスワード付きのZIPファイルを作成していきます。
コマンドを起動すると最初はユーザーアカウントの場所になりますが、まずはcdコマンドでデスクトップに移動します。現在地はコマンドから確認できますが、一応pwdコマンドで確認しておいても良いでしょう。
デスクトップに移動後、以下のようにzipコマンドを実行します。
zip -e -r zip_sample.zip sample_dir
「-e」と「-r」の2つのオプションを設定して、半角スペースを空けながら「[圧縮後の名前].zip」と「[圧縮したいディレクトリ名]」を指定してEnterキーを押します。
あとは設定するパスワードと、確認としてもう一度パスワードを入力してEnterキーを押すだけです。
コマンドを実行したら無事、暗号化されたのが確認できます。
cdコマンドでディレクトリを移動したのは、そのままの場所で圧縮したいディレクトリをドラッグ&ドロップしてパスを参照して実行してもいいですが、ユーザーアカウントの中に作成されるので、わかりやすい場所で作成されるように移動しておいた方がいいです。
ちなみに、パスワードは付けずにただただZIP圧縮するといった場合は、「-r」だけオプションを設定すればOKです。
zipcloakコマンドやzipコマンドは大変便利ですので、是非利用してください。
zipコマンドは、コマンド操作をしない方には慣れないものかもしれませんが、ここでご紹介したファイルをパスワード付きで圧縮する方法だけでも覚えていってください。
Windows PCをお使いの方は、こちらでパスワード付きのZIPファイルを作成する方法をご紹介しています。